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堆肥について

堆肥とは

堆肥とは「有機物」が「微生物」によって「ある程度分解」されたものを言います。
有機物を完全に分解させるのではなく「易分解性の有機物」を分解させ、中・難分解性有機物は残されているのが一般的です。これが地中の生物層を豊かにすることに繋がります。

有機物が分解した「無機態の肥料成分」が作物の肥料になると共に、未分解有機物が土壌微生物の栄養源(エサ)になって「土壌改良材」となり、土作りにも貢献します。
※主に生物内で作られる炭素化合物や二酸化炭素など、簡単なものは除きます。

有機質肥料の効果

有機質肥料の効果
※農業技術大系 第7-1 野口 勝憲

微生物について

堆肥は、空気(酸素)があるところで活躍する「好気性微生物」が作ります。
空気がない嫌気状態での醗酵では、分解速度が遅くなったり、悪臭が発生したりするなどの問題があります。そのため、堆肥全体にまんべんなく空気を供給することが非常に大切です。

嫌気的醗酵と好気的醗酵の違い


嫌気的醗酵調整
好気的醗酵調整
1
増殖する微生物
偏性嫌気性菌、通性嫌気性菌
(アルコール醗酵、メタン醗酵)
通性嫌気性菌、偏性好気性菌
(分解様式の大部分好気的)
2
分解速度
(増殖速度)
遅い(好気に対して1/3~1/5)
速い(嫌気に対して3~5倍
ATP生成効率
有機化合物の酸化時に得られる△G(自由エネルギー)の変化は右の1/20
(1molのグルコース)
菌体収率Yx/s0.14
(グルコースを基質とする)
△G20倍
(左のグルコース)
Yx/s0.4 左の3倍
ATPの獲得方式
(生成様式)
主として醗酵・電子受容体・供給体とも有機化合物で電子伝達鎖を通らない代謝様式。
主として呼吸、電子が電子伝達鎖を通る。
最終電子受容体は分子状酵素。
3
臭気成分
嫌気醗酵の過程で臭気成分が生育される。
臭気負荷は大きい。
硫化水素・アミン類・VFA
他複合臭気成分
酸醗酵(液化過程)VFAなど。
第1段階→メタン醗酵(ガス化)2~3段階醗酵
アンモニアを除けば臭気成分は生成されない。
臭気負荷は小さい。
CO2+水+硫酸イオン・硫酸イオン・NH3を主体とする。
単一臭気成分
VFA→CO2+水に分解。
有機物は単純にCO2・水・イオンに分解。
4
分解物の性質
土壤生態系
安定化機能
メタン醗酵に到達したスラリーには有機物質含有率は低い無機物質が主体。
土壌態系活性化、安定化機能は低い。
セルロース類、リグニンなど中位分解性、難分解性有機物を含む。
左の活性化、安定化機能は高い。

堆肥作りのポイント

堆肥作りのポイント
堆肥作りの基本は、微生物に対して働きやすい環境を作ってあげることです。
そのポイントとして以下が挙げられます。
  1. 水分調整(酸素供給を目的とした通気性の改善)
  2. 切返し・攪拌(酸素供給と通気性の改善)
  3. C/N比の調整(C炭素とN窒素のバランス、20~30が最適)
  4. 温度コントロール(衛生処理等にも貢献)
  5. 微生物の栄養源の供給(主原料と副原料のバランス)

堆肥化の流れ(微生物の連携)

堆肥化の流れ(微生物の連携)
堆肥化は単一の微生物ではなく、さまざまな種類の微生物(複合微生物)の働きによってなされます。「スターター」から「アンカー」まで、それぞれ得意分野の分解分担・引継ぎが行われる、言わば微生物によるリレー競技です。
複合微生物は単一微生物と比べて、分解スピードがはるかに速い特性があります。

分解のフロー

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